“電話がつながらない”“荷物タグが破けた”――はじめてのクルーズは意外と罠だらけ。
この記事では、2025年6月5日発 東京→台湾・基隆 片道クルーズ(MSCベリッシマ/ヨットクラブ)に実際に乗船した私の体験を、予約から下船後まで包み隠さず共有する。次に乗るあなたが同じ失敗を繰り返さないよう、準備段階で押さえるべきポイントを余すところなくまとめた。
旅の基本スペック
- 航路:東京国際クルーズターミナル(6/5 16:30 発)
→ 終日航海×2 → 基隆(台湾の台北から30分)(6/8 08:30 着) - 客室:ヨットクラブ・デラックススイート
- 支払総額:1人あたり約 21万円(ドリンクパッケージ・Wi‑Fi・チップ込み)
- 含まれるもの:全食事、アルコール含むドリンク、インターネット、ショー&プール利用
- 追加費用:有料スペシャリティレストラン、買い物、帰国の飛行機代など
結論:ヨットクラブでも3泊なら“航空券+ホテル”とそんなに変わらない。
予約のリアル ― 電話が繋がらず地獄
CityTours サイトで4月に即決
公式よりも情報が整理されていた CityTours の特設ページ を見つけ、価格をチェック。ヨットクラブ=100万円超のイメージがあったが、3泊で20万円台――迷わず電話予約に踏み切った。
クレカ番号を伝えるために1時間リダイヤル
Web決済は不可。電話口でカード番号を読み上げる昭和スタイルのせいで、回線が常に話し中。締切当日、1時間連続リダイヤルでようやく担当者に繋がり、決済完了。
- 締切より余裕を持って電話する
- 午前中を避け、16–17時の“すき間時間”を狙う
なぜヨットクラブか ― 20万円強で買えた VIP 体験
- 船内で豪華ディナー
- 空中ブランコショー
- 館内のモール
- ウォータースライダー
- 専用チェックイン:列ゼロ、15分で乗船
- 専用ラウンジ&レストラン:ビール片手におにぎりでまったり
- コンシェルジュ:寄港地ツアーやレストラン予約を全部丸投げ
- プレミアムドリンク・無制限Wi‑Fi:標準装備
“たった3泊だし贅沢しすぎ?”と迷ったが、行列を横目に即乗船した瞬間すべて回収。同じ航路で内側客室との差額が約10万円なら、十分にモトは取れる。
必要書類&チェックイン攻略
やること | コツ |
---|---|
eチケット印刷 | 全員分を紙で用意。スマホ画面は不可。 |
大型荷物タグ装着 | 家のプリンター紙は破ける。港で荷物を預ける直前にホッチキス留め。ホッチキスは貸してくれるが、自前があると早い。 |
パスポート | 残存6か月あれば OK。台湾は短期ビザ不要、ワクチン証明も不要。 |
台湾入国カード | ヨットクラブラウンジでちゃちゃっと記入。ペン常備推奨。 |
失敗談:タグを前日に付けて持ち歩いた結果、角が裂けて再発行騒ぎ。装着は港直前が正解。
荷造りチェックリスト
スーツケース(大+機内持込)
- 普段着 3日分、下着 4セット
- 水着・サンダル・水着の上に羽織れる物
- 軽い羽織り(船内は冷房強め)
ガジェット
- 延長ケーブル10 m超(ベッド横にコンセントなし。5 mでは足りず泣いた)
- 充電器・モバイルバッテリー
NG 荷物(持込禁止)
食べ物、アルコール、電源タップ、アイロン、ヒーター類は没収対象。
フォーマル服は不要。ガラナイト設定はあったが、誰もドレスアップしていなかった。
乗船当日のタイムライン
時刻 | 行動 | 所要 | 補足 |
---|---|---|---|
13:00 | タクシーで東京港到着 | – | 電車は乗換が煩雑 |
13:05 | ヨットクラブラウンジへ | 5 min | おにぎり・ビール無料 |
13:30 | 行列をスキップして乗船 | 10 min | 専用スタッフが先導 |
14:00 | ヨットクラブラウンジ(船内)へ | ドリンクと軽食サービス | |
15:00 | 客室イン | – | 荷物は避難訓練後に届く |
16:00 | 避難訓練 | 30 min | ビデオ視聴→内線811に電話→集合場所でクルーズカードスキャン。 サボると翌日再訓練。 |
船内キャッシュレス&通信事情
- 決済:MSC For MeのアプリからAMEXを登録、エラーなし。
船内での決済はすべてクルーズカード(もしくはブレスレット)で決済可能
- クルーズカード
- クルーズブレスレット
- Wi‑Fi(ヨットクラブ標準):
- 下り1–2 Mbps/上りほぼゼロ
- 香港経由扱い → ChatGPT など一部サイト遮断
- VPN接続不可の場合あり
- 船内アプリ「MSC For Me」も頻繁に接続エラー
- 通信速度1
- 通信速度2
教訓:大容量ファイルや動画視聴は諦め、事前にオフライン化。
船酔い・健康・保険
- 揺れ:ほぼ感じず。酔い止めは最後まで未開封。
- 避難訓練:参加必須。カード未スキャンは翌日呼び出し。
- 医務室:24 h 有料。風邪薬・常備薬は日本から持参すべし。
- 旅行保険:クレカ付帯+別途海外旅行保険(治療無制限)に加入。
国籍・言葉
乗客の国籍
台湾籍8割
日本人1割
その他1割
日本発着にもかかわらず日本人はかなり少なく中国語を話している推定台湾人が圧倒的多数だった。
欧米系の客は5%以下でアジア人ばかり。
スタッフの言語
英語 10割
中国語 3割
日本語 1割
基本的にスタッフは英語で話しかけてくる。 日本語がわかるスタッフは1割いたかどうか。
しかも商売に使う片言の日本語覚えてるだけの人も入れてこの数字。
日本人スタッフは2人しか遭遇せず。
ただしこちらが片言の英語でも丁寧に接客して教えてくれるし 時には翻訳ソフト使ってたので言葉で悩むことはあまりなかった。 皆親切で好印象。
館内放送は英語・中国語・日本語であるのでそこまで困ることはなかった。
下船後に台北を満喫するコツ
- 地獄谷
- ナイトマーケット
- 十分 ランタン上げ
- 九份 千と千尋の舞台
モデルプラン(3泊)
- 1日目:下船後タクシーで台北へ。 その後北投温泉(地獄谷)― 士林夜市
- 2日目:九份 ― 十分 ― 饒河夜市
- 3日目:迪化街でおみやげ → 台湾グルメを堪能→マッサージ
- 4日目:松山空港から帰国
台北中心部へは基隆から車で30〜40 分。フライト2.5 hで帰国。クルーズ+陸旅のバランス最強。
自分は台北で3泊宿を取り 移動はすべてUberで。
1時間乗っても5000円ぐらいと台湾のタクシー代は日本より安い
詳しくは別記事にまとめる
失敗から学ぶチェックリスト
- 電話予約は余裕を持ってかける
- 荷物タグは港で装着、ホッチキス持参
- 延長ケーブルは10 m
- エンタメを事前DL
- 救命訓練は即参加、カードスキャン確認
まとめ ― 準備段階で差がつく“ヨットクラブ流”快適クルーズ
ヨットクラブは高いが、その対価は並ばない・迷わない・待たないという“時間の贅沢”で回収できる。電話地獄とタグ破損という初歩的ミスさえ潰せば、3泊4日とは思えない濃密な船旅と台北観光が手に入る。
次回の記事では、ヨットクラブ専用レストランと MSC ベリッシマの食の実力を徹底レポートする。続きが気になる方は下のリンクからどうぞ。