【旅行記】キングダムの世界へ: 西安で秦の始皇帝と兵馬俑を追体験

かつての秦の都、西安(長安)。この地は中国の歴史を語る上で欠かせない存在であり、多くの観光客がその歴史と文化に触れるために訪れます。
私もその一人として、今回の西安を訪れることにしました。
特に、漫画「キングダム」の舞台となったこの地には、主人公の信の親友であり王である嬴政(えい・せい)(後の秦の始皇帝)の足跡を辿る魅力があります。
兵馬俑(へいばよう)という世界遺産もあり、その壮大な歴史の一端に触れることができるのです。

今回の旅の目的は、西安の歴史的な魅力を堪能し兵馬俑をはじめとする観光スポットを巡ること。さらに、地元のグルメや文化体験を通じて、西安という都市の魅力を全方位から感じることです。この旅行記を通じて、皆さんにも西安の魅力をお伝えできればと思います。

目次

上海から西安へ: 初めての咸陽(かんよう)国際空港

上海での仕事を終え、一人で国内線に乗り西安へ向かいました。
空港に到着して初めて気づいたのですが、西安咸陽国際空港の名前に「咸陽」(かんよう)が含まれているではありませんか!秦の都の咸陽です。キングダムファンとしては、テンションが一気に上がりました。

後日、ガイドさんに確認したところ、本当にあの咸陽とのこと。ただ、長い年月の中で完全に遺跡となってしまい、現在見ることができるものはほとんどないそうです。しかし、発掘と展示に向けた整備が進められているとのことで、将来の訪問が楽しみです。

空港からはdidiを使ってタクシーを呼び西安市街地へ向かいました。1時間近く乗りましたが、料金は113人民元(約2400円)と非常に安かったです。

宿泊先はシェラトンホテルで、朝食付きで3泊1916人民元(約4万円)。1泊あたり約1万円と、かなりお得でした。ちなみに、この料金は2人分の料金であり、1人用の料金設定はないようです。
チェックイン時に朝食が2人分ついていると言われ、一瞬戸惑いましたが、ダブルの部屋を2人料金でしか予約できなかったため、このような料金設定になっていたようです。

これから始まる西安の旅。歴史と文化に満ちたこの地で、どんな新しい発見が待っているのか楽しみです。

兵馬俑(へいばよう)

まず訪れるのは、兵馬俑(へいばよう)です。
兵馬俑は西安で最も有名な観光スポットの一つで、その壮大さと歴史的価値には圧倒されることでしょう。

漫画「キングダム」にも登場する秦の始皇帝のお墓を守るために、何千体もの兵士や騎馬の土偶が作られた兵馬俑は、その圧巻の規模で知られています。

小学生の頃、NHKの特集で見て以来、死ぬまでに一度は見に行きたいと思っていたスポットです。
今回、上海から西安まで2時間足らずで行けることが分かり、ついに足を伸ばすことにしました。

現地に到着すると、その壮大さに言葉を失いました。50メートルプールと同じかそれ以上の広さの空間に、土で作られた像が所狭しと並んでいる光景は圧巻です。

写真ではなかなか伝わらないこの迫力とスケールは、まさに絶景そのものでした。
実際に足を運んでこそ感じられる、この歴史の重みと偉大さを、多くの人に体験してほしいと思います。

写真をアップにしてみると分かりますが、並んでいる兵士一人一人の表情が異なります。これは、発見されている全ての像で異なるようで、実在の兵士をモデルにして顔を作ったのではないかと考えられています。

しかし、ガイドさんによると、実在のモデルから少しサバを読んでいるところがあるとのことです。具体的には、身長を実際よりも数センチ高く作り、兵士たちがより威圧的で強そうに見えるようにしているそうです。

細部にまでこだわった芸術性には驚かされます!

兵馬俑には様々な役職の兵士が並んでいます。
左から「将軍」、「一般兵」、「弓兵」が見られ、他にも騎馬兵や馬もありました。
その細部まで丁寧に作り込まれた彫像には驚かされます。

兵馬俑は非常に人気のスポットで、とにかく多くの人で賑わっていました。ただ、日本人には一度も会うことがなく、時折西洋系の観光客を見かける程度でした。圧倒的に中国人の観光客が多いようです。

私は日本語のプライベートガイドを雇って見学しましたが、西安滞在中に聞いた日本語はこのガイドさんだけでした。
西安は日本語はもちろんのこと英語もほとんど通じないので日本語のガイドさんは非常に助かりました。

秦の始皇帝陵

続いて車で10分ぐらい移動して秦の始皇帝陵へ。

秦の始皇帝陵を訪れて、その広大さに圧倒されました。敷地内は非常に広く、移動は有料カートを利用しました。このカート移動のおかげで、広大な敷地を効率よく巡ることができました。
途中歩いてる人は一人しかみかけませんでした。

また敷地内の博物館にあった戦車が圧巻でした。
その精巧な作りに驚かされました。特に、古代の戦車がどのように使用されていたのかを詳細に知ることができ、歴史のロマンを感じました。

そしてよくよく見ると漫画「キングダム」で出てきた戦車そっくりに車輪から杭が出ています!
キングダムファンとしては大興奮の瞬間でした。

始皇帝陵を訪れたことで、秦の始皇帝がいかに偉大な存在であったかを改めて実感しました。
この場所は、ただの観光地ではなく、歴史の重みと偉大さを感じさせる場所です。

訪れる価値が十分にあると感じました。

西安名物のビャンビャン麺

そして昼食は、ガイドさんに連れられて西安名物のビャンビャン麺を食べにお店へ向かいました。ビャンビャン麺はとても美味しい麺料理だと聞いていたのですが、その時点では具体的なイメージが湧きませんでした。
しかしお店に着いた途端、その印象が一変しました。

「あれ、この文字、どこかで見たことがあるなぁ…」

そう思いながらメニューを見ていると、突然思い出しました。「あ!インターネットで見た画数の多い漢字だ!」
そう、ビャンビャン麺の「ビャン」の文字は、画数の多い漢字として有名なものでした。
ちなみにガイドさん曰くこのビャンビャン麺のためだけに作られた漢字で他に用法はないそうです。

このビャンビャン麺は、手延べの平たい麺が特徴で、噛み応えのあるもちもちとした食感が魅力です。
トッピングには、ピリ辛のタレやたっぷりの香味野菜が乗っており、一口食べると、その風味豊かな味わいに驚かされました。シンプルながらも奥深い味わいがあり、これは確かに西安名物と呼ぶにふさわしい逸品です。
そしてこんなに美味しいのにたったの15人民元(約330円)。

ビャンビャン麺を堪能しながら、ガイドさんと地元の文化や食について話す時間も楽しいひとときでした。
西安の味覚をしっかりと味わうことができ、この旅のもう一つの魅力を発見しました。

ちなみに、ビャンビャン麺があまりに美味しかったので西安のお土産として大量に購入して取引先に配りました。

華清池と大雁塔と西安城壁

そして西安の定番スポットの華清池と大雁塔と西安城壁を順に見て回りました。

華清池(かせいち)は楊貴妃と玄宗皇帝が好んだ湯治場とのこと。
楊貴妃って元々は玄宗皇帝の息子の嫁だったのを一目惚れした玄宗皇帝が離婚させて奪ったって話は知ってたけどいきなりだとまずいから数年間出家させて戻すならセーフ、という謎理論で合法的に嫁にしたとか・・・

そして歌舞伎とかの「梨園(りえん)」の言葉の由来もこの地とのこと。
玄宗皇帝や楊貴妃が才能ある若者に音楽や舞踊などの芸能を教えたことから「梨園」という言葉に芸能の意味が出てきたらしい。 へー!

大雁塔(だいがんとう)は三蔵法師がインドで修行して持ち帰った書物を収めた塔のこと。
西遊記に出てくる三蔵法師が実在の人物なのは知っていたけど 孫悟空と猪八戒にも実在のモデルがいたとのこと。
ただしインドへの修行の旅は三蔵法師一人でしていて帰国後にたくさん取った弟子の中にそれぞれのモデルがいたそう。なお沙悟浄のモデルはいないそうです。



そして西安城壁。西安の周りを一周囲む城壁でまさに城塞都市という感じでした。
外部からの侵攻を阻むトラップだったり油や石を落とす窓だったりありました。

この3つは西安名所だし行ってみて良かったけど まぁ正直普通かな、、、って感じでした。
兵馬俑、始皇帝陵の感動が大きすぎて・・・

夜のシアターレストラン体験

そして夜は、ガイドさんお薦めのシアターレストランへ向かいました。このレストランでは、中国史上唯一の女帝、武則天(ぶそくてん)の物語を中国風ミュージカルで鑑賞しながら、点心を楽しむことができます。食事代込みで400人民元(約8800円)という料金は、非常にお手頃です。

ドリンク代は別途かかりますが、チンタオビールは20人民元(約440円)と、特別高くはありませんでした。

レストランのお客さんの大半は西洋人で、「西安にもこんなに外国人がいるんだ!」と驚くほど外国人で賑わっていました。アジア系の顔立ちのお客さんは少数派でした。

中国語は全くわかりませんでしたが、音楽と演技のおかげでストーリーはなんとなく理解でき、十分楽しむことができました。一応、英語の字幕がディスプレイに表示されていましたが、劇の内容は視覚的にも分かりやすく、途中からは劇に集中して鑑賞しました。

さらに、舞台後には役者さんと記念撮影ができるという特典もありました。美しい役者さんたちに囲まれて、とても嬉しいひとときでした(笑)

当日にガイドさんから勧められて急遽追加したこのシアターレストランでしたが、大満足の体験となりました。
歴史とエンターテイメントを兼ね備えたこの場所は、西安の夜を彩る素晴らしいスポットでした。

利用したプライベートガイドツアー

今回の西安観光に際し、日本語のプライベートガイドを雇って一日観光をしました。
兵馬俑をはじめとする観光スポットは、西安から車で移動する距離にあるため、ガイドとドライバーさんの存在は非常に助かりました。さらに、中国では英語がほとんど通じず、私自身の中国の知識も学校の教科書、キングダム、三国志程度だったため、日本語での説明でもギリギリ理解できるかどうか心配でした。英語での説明では絶望的だったでしょう。

そのため、一日ガイドを頼むことにしたのですが、これが大正解でした。

ガイドさんは非常に知識が豊富で、各観光スポットについて詳しく説明してくれました。兵馬俑や始皇帝陵の歴史的背景、文化的意義について、日本語で丁寧に解説してくれたおかげで理解が深まりました。
また、現地の風習や文化についても学ぶことができ、観光をより一層楽しむことができました。

ちなみに今回自分が利用したツアーは下記の9時間プランでした。
車と専属ドライバーさんと日本語ガイドさん付きで効率良く見たいところを全て回れて最高でした。
自信を持ってお薦めします。

【貸切りチャーター】選べるベテランガイド!西安市内&郊外を自由に観光<日本語ガイド/選べるチャーター時間>

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この記事を書いた人

世界を巡る旅行が大好きなフリーランサー。新しい文化や歴史に触れることで、多彩な視点から旅の魅力を伝えます。旅の思い出や役立つ情報を、皆さんと共有したいと思っています。

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